今回は、以前3トーンサンバーストで紹介しました、分厚いポリウレタン塗装のサンバーストを剥がして、ラッカーでマルチレイヤー塗装してレリック加工です。
このギターは、Fender USA American Ultra Stratocasterで、かなり塗装の肉厚があるギターで塗装を剥がすのに大変で時間がかかりました。こんなに分厚い塗装で固めていたら、中の木の鳴りを殺していい音を出せないのではないかなと思うくらいですね。気候、湿度、外傷の保護を第一に考えているようですが、ギタリストは鳴りの良い、いい音がするギターを求めています。今回のご依頼もギターを購入されてすぐリフィニッシュに持ち込まれました。


まず、下地からラッカーで色止めシーラー、表面を平坦にするサンディングシーラーを塗ってから3トーンサンバーストを塗り、クリアーを重ねます。この時仕上げ時のレリック加工を考えクリアーはあまり厚く塗りません。

次に、クリアーの上にレイクプラシッドブルーを塗ります。エルボー部分は後に擦れたマルチレイヤー加工処理をするのが決まっている為、この部分は薄くしておきました。

トップコートは古い塗装をご希望とのことでしたので、艶があまり無い仕上がりで塗りました。

トップコートを塗り十分乾燥させた後エイジング加工に入ります。エルボー部分は擦れてラッカー塗装が剥がれたストーリーで、サンドペーパー#600からスタートして段々と番手を細かくして行きレイクプラシッドブルーを剥がして行きます。あとは所々下のサンバーストが見えるようにスクレーパーも使って剥がして行き、打痕も付けてます。

ボディ裏も擦れとバックル傷、打痕をバランス良く付けて行きます。この時できるだけ3トーンサンバーストが見えるようにします。

このあと、急冷却でウエザーチェックを入れます。打痕をこの工程より先に入れましたので、この打痕に絡んでクラックが入ります。

次に塗装が剥がれて木地が見えた部分に濃いブラウンを塗り、ボディのエイジング加工は完了です。
次は、パーツ類のエイジング加工に入ります。ピックガード、ピックアップカバー、コントロールノブ、スイッチノブ、バックパネルのようなプラスチックパーツは光沢を減らし、ブラウンの染粉を使い汚れ感を出します。

ネジ類、ブリッジ、ネックジョイントプレート、ジャックプレートなどの金属パーツは、軽くサンディングした後エッチング液を使い錆びさせます。元々パーツ類もピカピカだった為かなりの古さと使用感が出ます。

パーツ類もいい感じになりましたので、ボディにセットアップして行きます。今回、ネックはリフィニッシュをしないということでしたので、ボディとのバランスを考えてクリアーの光沢を抑えるようにサンディングして、ペグもエイジングしました。

あとは、弦を張り調整をして完成です。ご依頼されたオーナー様もかなり喜ばれておられました。ありがとうございました。




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