究極のヴィンテージ・サンバースト塗装

最近では、メールでのお問い合わせも増え、大体はメールのやり取りで、遠方から修理やカスタマイズや塗装の楽器が送られてきます。中には北海道からのお客様もいます。で、今回のご依頼も遠方からのお客様で、1回足を運んでいただきご来店してご依頼内容を話していただきました。大変ありがたい限りです。ご依頼内容は、トップのみのリフィニッシュ、エイジド加工、ウエザーチェックを入れるという内容です。送られてきたギターは以前リフィニッシュ、エイジド加工、ウエザーチェックを入れてもらったギターみたいなのですが、色が明るすぎてあまり気に入っていなかったようです。この写真の感じも悪くは無いのですが、お客様の理想のカラーがあったのです。

Before

その理想のカラーは、The Beauty Of The Burstの本に載っているこのカラーです。ウー渋いですね〜。わかりました、このカラーや雰囲気に近づけてみます。

見本写真

この見本のギターは’59なので、本の出版の時期からすると50年ぐらいは経っています。しかも綺麗で状態が良いので、自然の劣化だけでここまで保たれているのではないかと思います。自然の焼けや変色も考えて調色していきます。虎木の模様部分は濃いオレンジに近い茶色なので、生地に調色したステインをすり込んで行きます。

調色したオレンジステイン塗り込み

乾いたらサンディングをして表面だけ色を取ります。すると虎の模様部分だけ色が残ります。

サンディング

次に黄色のステインを混ぜたシーラーを塗ります。これで、虎の模様がはっきりしてきます。

シーラーに顔料イエローを混ぜスプレー

次に茶色ステインでバーストを吹いて行きます。見本のバーストをイメージして吹きました。ヴィンテージぽさを出す為と、ボディサイドとバックとネックはすでに光沢があまり無かったので、トップコートのクリアーは半艶けしを選びました。

バースト、トップコート塗装

ウエザーチェックは、カッターでの横スジと急冷のランダムなひび割れをブレンド。傷などのエイジド加工は、あまりヘビーに入れなくライトな感じで入れました。

エイジド処理&ウエザーチェック施工

The Beauty Of The Burst完成です。イメージ通りにできご依頼のお客様も喜んでいただきました。ご依頼いただきありがとうございました。

究極のヴィンテージ・サンバースト完成