69年製前期のレスポールスタンダードといえば、ノンボリュートのスモールヘッド、マホガニー1ピースネックディープジョイント、センターシーム・ツーピースメイプルトップ、1ピースマホガニーバックなど、69年後期以降の仕様とは違いほとんど68年製仕様と変わらないので、これを求めている方も多いと思います。以前販売用でアメリカから’68LP Standardを輸入したことがありますが69年前期は初めてです。
そんな貴重な’69LPのTopをリフィニッシュしてエイジング加工のご依頼を受けました。 このギターは元々P-90ピックアップ仕様ですが、ザグリ加工をしてハムバッキング仕様にしてあり、ナンバードパフが2個搭載されていました。しかも元々のゴールドトップを剥がしサンバーストにリフィニッシュされていましたが、このサンバーストをレモンドロップ系に塗り替えたいとのご要望です。Top以外もウエザーチェックや傷もありますので、周りとバランス良くエイジド加工も施します。

まず、ペグ、ピックガード、ピックアップ(エスカッションごと)、トグルスイッチ、ジャック、コントロール類、ストラップピンを外し、テールピースはアンカーを残して外します。ブリッジのスタッドはボディにねじ込んでありますので、反時計回りに回して外します。
塗装を剥がす前に気になるところがありまして、それはピックアップP-90からハムバッキングに変更する時の改造で、ハムバッキングエスカッションのネジが落ちない為補強で木などを使い補強をしてその補強の木にエスカションのネジが止まるのですが、このギターもそういった改造をされていて、フロント側がの補強した木が外れていましたので再度接着圧着しました。リア側はネジが斜めに付いていましてので、ネジがザグリに落ちないようにメイプルの木で埋め再度ネジ穴を垂直に開け直しました。


あと、弦アース線が短いので、テールピースアンカーを外し長い銅線に交換しました。

これで、塗装前の木の調整が完了しましたので、トップの塗装をサンディングで剥がして行きます。続いて、コントロール類の穴を塞ぎ、テールピーススタッドアンカー、指板、ネック(バインディングも含め)、サイド、バックなど塗料が付いてはいけない部分にマスキングをします。あと、リアピックアップ・エスカッションネジ穴を一旦埋めましたので、塗装する前にネジ穴を開けておきます。これで塗装前の準備ができました。

ここから塗装工程に入ります。まず、イエローシーラーで塗料の吸い込み止めとイエローの木地着色を同時にします。最初のシーラーからスプレーガンで塗りますが、普通に吹きますと塗料が弾いて乗らない場合がありますので、ここは経験と熟練の技で吹きます。

何回か重ねて塗り色の調整もし上手くシーラー乗りましたら、次にサンディングシーラーを重ねては削りを何回か繰り返して、ボディトップのアーチ形状を保ちながら表面を平坦にします。
ここからブラウンでバーストをかけますが、年月が経って色が抜けた感を出す為薄くスプレーガンで吹きます。この時バースト部分を濃くし過ぎると今まで塗った塗装を削り、最初からやり直しになりますので、失敗は許されません。
この上に、古いイエローの色感を出す為、グリーンミストと言いシースルーグリーンを口径の小さいスプレーガンで霧が吹くように薄くパラーっと吹きます。
続いて、クリアー層の焼けた感を出す為、飴色クリアーを塗ります。


このあと、クリアーラッカーを重ねて、トップコートに塗装表面のヴィンテージ感を出す為、艶消しを調整してラッカーフラットを塗ります。ここまでやりまして、50年以上の塗装感を出します。このまま乾燥室で塗装を乾燥させます。冬は寒く塗装の乾燥が遅いので、乾燥室で温度と湿度を調整して一定の温度湿度になるようにして、塗装を乾かして行きます。


塗装乾燥後、写真でもわかるように電球の反射が曇って見えると思います。これで塗装工程は完了しました。このあとエイジド加工とウエザーチェックの施工に続きます!


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