重いギターを軽量化計画

ギターモディファイ

今回は、ヘビーウエイトなアッシュ材のギターをどこまで軽量化できるかでスタートしました。オーナーの方がメインで使うお気に入りのG&L ASATなのですが4.5kgとすごく重く、ストラップを付けてギターを弾いていると肩が痛くなるとのことで、これは何とかしてあげないとと思いました。エレキギターのどこが重量を増やしているかを考えると、ボディの木、ネックの木、ペグ、ピックアップ、ネックジョイントプレート、コントロールパネル、ポット、セレクタースイッチ、ブリッジ、ジャックプレート、その他パーツがありますが、このギターはあきらかにボディの木でした。ネックとパーツを外して手で持ってもズシンと来る重さです。パーツを軽量化してもあまり変わらない為ボディの木をくり抜くことにしました。

ボディをくり抜いて蓋をしているギターは、シンラインテレキャスター、Bベンダー付テレキャスター、チャンバー構造のギターなどありますが、Bベンダー付テレキャスターはくり抜いた中にベンダーの装置を内蔵していますので軽くはないですが、だいたいは軽量です。ギブソンも一時期バックのマホガニー材を所々くり抜きトップのメイプル材で蓋をしたレスポールスタンダードを発売していましたが、これが不評で何年後かにはソリッドボディに戻したということもありました。これは音にも影響がありますが、この見えない部分ですがレスポールはこれではいけないという、レスポールを持つオーナーとしてのこだわりがあると思います。

ボディをくり抜いてのギターサウンドの良さもありまして、セミアコースティックのような箱鳴り感が出て、ボディの鳴りが良くなった感じになります。これは、その人の好みにもよりますが。

今回のこのG&L ASATは、シンクロナイズド・トレモロ付で、ボディバックにザグリが有りボディトップはコントロールパネル部とピックガード下のピックアップ用ザグリは四角く大きく開いているので、くり抜くスペースは限られています。最終的に4kgを切りたいので、ボディバック上のストラップピンからストラップピンまでを広範囲でくり抜きそのくり抜いた場所にその形に合わせたピックガードと同じ素材で製作したカバーで蓋をしました。

before

ルーターでバックの木を削って行きますので、ルーターのガイドになるテンプレートを MDFボードで製作します。まず、トレーシングペーパーに削る範囲とバックパネルのネジ位置をけがきます。そして、このけがいたトレーシングペーパーを厚さ9mmのMDFボードに貼り、そのボードをくり抜いて行きます。バックパネルネジ部は穴を開け皿ネジが収まるように面取りします。これでテンプレートの完成で、これをボディバックに両面テープで貼り、バックアップパネルネジ部を皿ネジで固定します。

ルーター用テンプレート製作

次にルーターで削る前にボール盤で、テンプレート少し内側を均一な深さで予削りをします。これは削る範囲が広いのでルーターで一気にやってしまうと時間もかかり、ルーターに負担がかかるからです。

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ボール盤予削り

次にテンプレートガイドを付けたルーターで、深さ深さ3段階で削って行きます。

ルーター削り
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ルーター削り後

くり抜きが完了して重さを計りましたら、くり抜く前より約0.5kg軽くなりました。だいたい目標にしていた減量になりました。

次の作業は、このくり抜きを隠す蓋を製作します。ヴィンテージ・パール柄の平板を削りくり抜きの形よりひと回り大きい形にする為、6mm厚のMDFボードで型を作ります。まず、トレーシングペーパーで形を決め、MDFボードに貼りその形に削ります。形ができましたらピックガード用平板の裏に貼り、形の外周3mmぐらい残して切ります。あとはテーブルルーターを使い、ガイド付面取りビットで削って行きます。

バックパネルの型
バックパネル

テーブルルーターで形になりましたら、ネジ穴を蓋とボディバックの位置が合うようにボール盤で開けて行きます。あとは、ピックガード用のネジで締めて完成です。

ネック、パーツを装着してギターを持った感想は、くり抜く前はズシンとハンマーを持った感じでしたが、くり抜き後はズシンとくるような感じが無くなりました。これで肩がこらなくなると思います。0.5kg減で体感的にだいぶ変わりますね。

バックパネル装着

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