ギターキット塗装〜組み上げ

今回は、ギターキット仕上げまでのご依頼です。ボディ、ネック、指板フレット、バインディングが付いて形になっている未塗装の状態で送られてきました。パーツも一緒に届いたので塗装前に合わせてみましたが、ペグ、ジャック、ポットの径が合わない為塗装をする前に、穴を広げました。この未塗装のギターは、中国製で、やはり荒削りなので、表面を#320でサンディングします。これをしておかないと、仕上がりに影響がでます。

木部サンディングしてマスキング

指板にマスキングをして、目止めをして、今回はウレタンのサンディングシーラーから吹きます。乾いたらサンディングしてを何回か繰り返して表面の凹凸がなくなったら、クリアーにピュアイエローを混ぜ吹きます。

ウレタン・クリアーイエロー塗装

トップのサンバーストは、オレンジ系の茶色を作り吹きます。

調色したブラウンサンバースト塗装

ボディ・サイド、ボディ・バック、ネック、ヘッド裏も同じ色で吹きます。ボディとネックの材質が違う為、色が微妙に違うように見えます。

サイド・バック・ネックも調色したブラウンに塗装

塗装を乾燥させて、磨きにかかります。磨いて綺麗になったら、フレットは初めからガタガタでボコボコでしたので、擦り合わせもします。パーツを組み込み調整をして出来上がりです。これで、半分は日本製になりました。

完成

ヴィンテージ・レイクプラシッドブルー塗装

ポリウレタン塗装からラッカーのヴィンテージ・レイクプラシッドブルーにリフィニッシュです。ポリウレタン塗装は、硬く厚く頑固ですので剥がすのにいつも苦労します。

Before

今回は6弦ベースでボディ塗装する為の持ち手治具が無かったので、新しく作りました。

6弦ベース用の塗装用治具製作

専用持ち手を装着した写真がしたです。

ポリウレタン塗装剥がし

木がアッシュなので、ワイピング材を塗っては拭き取り塗っては拭き取りを繰り返して導管を埋めます。これをしないと仕上がりが凹凸になってしまいます。導管が埋まり乾燥したら軽くペーパーをかけ、次にメタリック系を塗装するので、木目を完全に隠蔽する為白のサフェーサーを吹きます。

下地塗装

よくレイクプラシッドブルーブルーの塗料を探している人がいますが、この色は作らないと無いでしょう。メタリックにキャンディーカラーのブルーを混ぜます。キャンディーカラーのブルーでも何種類か有りますが、今回はお客様の要望でピュアブルーを選択しました。

メタリックブルー(調合したレイクプラシッドブルー)塗装

ヴィンテージ感のある褪色した色にしたい為、調色した飴色クリアーを吹きます。そうすると少し緑がかった色になります。あとは、トップコートにクリアーを重ねて出来上がり。

調色した飴色ステインクリアー塗装
完成

マルチレイヤー塗装エイジド加工

最近ちまたで流行りのマルチレイヤー塗装にリフィニッシュの依頼が来ました。塗装後はエイジド加工をしてVintage風に仕上げてほしいとのことで、スタートです。

マルチレイヤーとは、出来上がったカラーの上から重ねて違うカラーを塗るやり方です。昔、F社で塗装の不良や、木目が悪いなどの理由でそういったギターが存在していたみたいです。塗装のやり直しは、一回塗装を剥がさないとならないので、マルチレイヤーにした方が、効率が良く早いです。新品のギターの出来あがりはマルチレイヤーなのかはわからないが、使っていくうちに塗装が剥がれて初めて中のカラーが顔を出して分かります。最近流行りのマルチレイヤーは、はじめから中のカラーを見せるお洒落な感じを出しています。それを出すバランスや量は施す人のセンスにかかってると思います。

Before
表面を研磨
下地処理後イエロー外側ブラックと内側オレンジでその上にラッカークリア塗装
サンバーストの上にラッカーホワイト塗装
クリームカラー塗装
エイジド加工表
エイジド加工裏
マルチレイヤー・エイジド完成

ヴィンテージ・サーフグリーン

ボロボロなSuhrのギターを生まれ変えさせるプロジェクトです。缶スプレーで塗りたぐったギターが持ち込まれました。はっきり言ってお見せできないような、可哀想な状態でした。これをボディとネック共にオールラッカーフィニッシュで塗装。カラーはいろいろと悩んだ末、ヴィンテージ・サーフグリーンに決定。サーフグリーンといえば、ジェフベックのギターの色が思い浮かびますが、もう少し薄いグリーンで古っぽい感じにして欲しいとご依頼主様から要望を受けました。いろいろと調色してまずはサンプル作りから始めます。

Vintage Surf Green

ヴィンテージ風ということで、カラーベースの上に飴色クリアーを吹きます。こうすることにより見る角度で黄色っぽく見えたりします。ご依頼主様と了解を得てこのカラーでいきます。

ギター本体に移り、ボディ、ネック共に元々の塗装を剥がしていきます。剥離剤を使わず、サンディングのみで平になるように削っていきます。ネックのヘッドには大事なSuhrというロゴがありますので、そこだけを避けて荒い目のペーパーから#320まで使います。

#320サンディング後

生地が綺麗になったら、シーラーを吹いて塗料の木への吸い込みを防ぎます。次にサフェーサーを吹いて木目が出ないように消していきます。何回か吹いて表面が平らになるように研磨します。これで下地が完成。これまでで表面が平らでないとこれから上に重ねていく塗装に影響が出てしまうからです。

サフェーサー吹

次に調色をしたサーフグリーンを吹いていきます。サーフグリーンは綺麗ですね!

サーフグリーン
body&neck

次にそのボディのサーフグリーンの上とネックに飴色に調色したクリアーラッカーを吹くとヴィンテージ感が出ていい感じになります。

Vintage Surf Green

あとは、磨いてパーツを組んで、ネックをセットして調整をして完成です。あんなにボロボロだったSuhrギターが生まれ変わってよかったです。ご依頼されたお客様にも見違えるように変わった姿にびっくりして喜ばれていました。

極薄ラッカーサンバースト

誰しも、木の鳴りがいいギターを求めると思います。鳴りがいいギターとはどんなギターなのか。それは弦を弾いて、その弦の振動がブリッジに伝わりボディを共鳴させます。共鳴させた振動がより長く続くか、共鳴の振動がより大きいかで鳴りがいい悪いを判断できると思います。自分も昔、厚いウレタン塗装にリフィニッシュされたギターを輸入したのですが、実際あまり鳴らなかったです。そんなギターが日本に入ってきて数日後、塗装が浮いてきて、パリパリ剥がれ出しました。黒い塗装が剥がれた中から赤や黄色い塗装が見えてきました。これはと思い全部剥がすことに決めました。前のオーナーは元々のサンバーストの上に黒いウレタン塗装をしたみたいです。いわゆるウレタン塗装2枚重ねですね。これでは鳴らないわけです。上のリフィニッシュされた黒い塗装を剥がしただけでも、鳴りがかなり変わりました。このことからも塗装はできるだけ薄い方が鳴るということがわかります。で、今回の依頼はウレタン塗装を剥がして、極薄ラッカーで仕上げてくださいとのことです。

イエロー塗装
バースト塗装
極薄ラッカー塗装

極薄塗装でトップコートも薄い為、乾燥後の仕上げの水研ぎ磨きはできませんので表面は少しボコボコしていて、ヴィンテージ感があります。完成後のサウンドは、弦を弾いてボディの隅から隅まで伝わる感じが長く続くようになりました。

分厚いポリ塗装をラッカー塗装にリフィニッシュ

今回はG&LナチュラルのASATを、ラッカーでリフィニッシュの依頼です。このG&Lがまた厚い塗装をされていて古い塗装を剥がすのにひと苦労しました。リフィニッシュは、塗装するより塗装を剥がす方が大変ということです。それと出来るだけサイズを変えないように注意しながらサンディングしなくてはなりません。中古やヴィンテージのギターでたまにボディの削り過ぎか何かで、ボディ厚が薄くなっているリフィニッシュされたギターを見かけます。ひどいのになるとトレモロユニットの裏のブロックがボディより飛び出ているギターも中にはありますので、ストラトキャスターは特に気をつけましょう!

サンディング後

このギターは、アッシュ材なのでこのまま塗装すると木目の導管に塗料が入ってヘコみますので、ワイピングで導管を埋めます。いわゆるパテみたいなものです。これで導管が埋まって平らになります。その後塗料が染み込まないようにシーラーをスプレーガンで吹いていきます。

シーラー塗装

あとは、ラッカーサンディングを吹き、サンディングしてを何回かくり返し平らになったらこれで下地処理が完成。

ラッカーサンディング

ここまでできたら、次は色付けをしていきます。目標はフェンダーカスタムショップ56ストラトキャスターのホワイトブロンドフィニッシュです。

56ホワイトブロンド

レリック加工はしませんが、このカラーを目指します。

1回目

クリアーラッカーにホワイトを少し混ぜて調色して吹いていきます。

2回目
少し色付け

白過ぎるので、少しだけイエローステインを混ぜて耐食した感じにしてみました。あとは、クリアーラッカーを重ねて乾燥させます。

磨き

塗料が乾きましたので、水研ぎからしていき、コンパウンドで磨いて完成です。

ネック、パーツ取付

ネックとパーツを元に戻して弦を張り、サウンドチェックをしました。アンプで鳴らす前から、以前の塗料よりボディが鳴っているのに気づきます。以前の分厚いポリエステル塗装だと木の鳴りを抑えていて、この差がでるのだと思います。アンプで鳴らせば関係ないと思っている人がいると思いますが、アンプで鳴らしてもアンプから出てくる音に差が出ますので、ラッカーにリフィニッシュして体験してみてはいかがでしょうか?

ネック折れ修理塗装込

ネック折れ

このギターは、ネックとヘッドの間にヒビが入っていますが、弦を張った状態でチューニングすると、このヒビ割れの隙間が開いてきます。接着圧着したあとネック裏の塗装が剥がれているので、同色での塗装も依頼を受けました。

写真は撮るのを忘れていましたが、このギターはネック裏にボリュートがあるので、専用治具(自作)で接着圧着です。2〜3日乾かして専用治具を外しネック裏、ヘッド裏の塗装を剥がします。

下地塗装

綺麗に塗装が剥がれたので下地塗装からしていきます。ヘッド裏にシリアルナンバーとMADE IN USAの刻印があるので、消えないように気をつけます。色はシースルー系のワインレッドですが、古っぽいダーク系にしてボディの色に合わせます。

色付け1
色付け2

色付けが終わったら、飴色クリアー塗装をして古っぽい感じにしていきます。その後クリアー塗装を何回か重ねて乾燥させます。

クリアー塗装

1週間乾燥後、水研ぎ、バフ掛けして完成!ボディが汚れていて光沢もなかったので磨いておきました。ここまでやるやり方だとネック折れはほとんど分からなくなります。

モカバースト・カラーにリフィニッシュ

最近のフェンダーの新色で、モカバーストというカラーがあります。このカラーにリフィニッシュしてほしいという依頼がきました。自分もこのカラーに興味があり、調べたらこのカラーのギターをレビューした動画がありましたので、それを見て解読しました。

Fender American Ultra Jazzmaster Mochaburst

下地処理をした後、ウレタン・シャンパンゴールド塗装。

シャンパン・ゴールド

乾燥後、ゴールドラメをふりかけて、バーストの部分はマホガニーステインをウレタンクリアーに混ぜ吹きます。後は、トップコートのウレタンクリアーを重ねて塗って完成です。

モカバースト

全体の塗装より難しい部分塗装

部分塗装はその周辺の色と合わせて、いかにごまかすかにかかっています。

before
before

まずは、平らに研磨してラッカーサンディングやウレタンサンディングを薄く吹いて、その後サンディングしてから色をつけていきます。あとはクリアー塗装を何回かして、乾燥させます。乾いたら磨いて出来上がり!やっぱり色を合わせるのが難しいです。

after
after

民生ブラックトップレプリカへの道 第二章 塗装編

お待たせしました。前の塗装が全部剥がれて、生地の表面に傷やへこみを確認します。この時点で傷やへこみがあると、いくら塗料を重ねても傷やへこみは残ってしまうので、生地の表面を良く見たり指で触って感触を確かめます。

生地

塗装は木の材がメイプルなので、まずシーラーを吹きます。1回吹いて乾燥させて、を繰り返します。

シーラー吹き

続いてラッカーサンディング吹き。今度は、吹いて乾燥させて表面をサンディングしてを何回か繰り返していきます。

ラッカーサンディング吹き

下地処理が完了したので、トップのバインディング部分をカーブに沿ってマスキングして、ブラックラッカーを吹いていきます。

ラッカーブラック吹き

何回か重ねた後、バインディング部のマスキングを外し、少し古さを出す為、飴色クリアーラッカーを吹きます。

飴色クリアーラッカー

あとは、クリアーラッカーを吹いては乾燥させてを何回か繰り返していきます。

クリアーラッカー吹いて乾燥

1週間自然乾燥させたら水研ぎです。表面をあまり平らにしないように軽く#1000からかるく磨いていきます。

水研ぎ後

水研ぎを#2000、#3000と済んだら、バフがけ、コンパウンド磨きと仕上げていきます。

コンパウンド磨き

このくらいの輝きがでたら完成です。ゴールドトップからブラックトップにかっこよく仕上がったと思います。長らくお待たせしました。奥田民生氏が愛用しているモデルに近づけました。

ブラックトップ完成