民生ブラックトップレプリカへの道 第四章 ブリッジ編

民生氏のブリッジを見るとビグスビートレモロ使用時のチューニングの狂いを抑える為に前回交換したロック式ペグと、あとローラーブリッジに交換してありました。でこのローラーブリッジは、今では入手困難なグレッチ製のブリッジで、依頼者さんも苦労して手に入れたみたいです。ローラーブリッジ本体をギブソンブリッジと交換するだけですが、民生氏のギターの写真を見るとサムナットがギブソンと比べると大きいではないか!ということで、サムナットも変えようと思ったら、ガバガバ!これはスタッドごと交換しないとなりません。ギブソンのスタッドを抜いて、穴の径を広げてグレッチというか国産のスタッドをねじ込みます。

スタッド穴
グレッチスタッドとサムナット

これで民生氏のギターにまた近づきましたね!チューニングの狂い少なく安定感抜群!弦高調整もしやすい!

民生ブラックトップレプリカへの道 第三章 ペグ編

‘50sヴィンテージタイプのギブソンは、元々クルーソンペグが付いています。ビグスビートレモロを付けたギターですと、チューニングの狂いに悩みます。そこで、チューニングの狂いを少なくするのにペグをロック式のペグに交換します。このギターのオーナーさんが選んだロック式ペグは、ゴトー製シャーラータイプのマグナムロックです。クルーソンタイプからシャーラータイプなのでポスト穴を削って広げます。9.9mmドリルビットを使います。

ペグ穴広げ

あとは新しいペグを取り付けます。これでアーミングした後のチューニングが狂いにくくなりました。

マグナムロック装着後
マグナムロック装着後

民生ブラックトップレプリカへの道 第二章 塗装編

お待たせしました。前の塗装が全部剥がれて、生地の表面に傷やへこみを確認します。この時点で傷やへこみがあると、いくら塗料を重ねても傷やへこみは残ってしまうので、生地の表面を良く見たり指で触って感触を確かめます。

生地

塗装は木の材がメイプルなので、まずシーラーを吹きます。1回吹いて乾燥させて、を繰り返します。

シーラー吹き

続いてラッカーサンディング吹き。今度は、吹いて乾燥させて表面をサンディングしてを何回か繰り返していきます。

ラッカーサンディング吹き

下地処理が完了したので、トップのバインディング部分をカーブに沿ってマスキングして、ブラックラッカーを吹いていきます。

ラッカーブラック吹き

何回か重ねた後、バインディング部のマスキングを外し、少し古さを出す為、飴色クリアーラッカーを吹きます。

飴色クリアーラッカー

あとは、クリアーラッカーを吹いては乾燥させてを何回か繰り返していきます。

クリアーラッカー吹いて乾燥

1週間自然乾燥させたら水研ぎです。表面をあまり平らにしないように軽く#1000からかるく磨いていきます。

水研ぎ後

水研ぎを#2000、#3000と済んだら、バフがけ、コンパウンド磨きと仕上げていきます。

コンパウンド磨き

このくらいの輝きがでたら完成です。ゴールドトップからブラックトップにかっこよく仕上がったと思います。長らくお待たせしました。奥田民生氏が愛用しているモデルに近づけました。

ブラックトップ完成

民生ブラックトップレプリカへの道 第一章

お客様のご依頼で始まったプロジェクト!

ある日、ゴールドトップの57にコンバージョンされたビグスビー付レスポールが持ちこまれました。

プロジェクト内容は、このゴールドトップをトップのみをヴィンテージ風ブラックトップにリフィニッシュ。ペグをマグナムロック付交換。ブリッジをローラーブリッジに変更でスタッドとサムナットを同時に交換。あと、ビグスビー用アースに変更。

57にコンバージョンのゴールドトップレスポール

まず、パーツを全部外して発見!ビグスビーを固定するネジが1本折れてボディに埋め込まれたままになっています。このネジの救出から始めました。

埋め込まれたネジ
ネジの救出

折れたネジの救出が無事に済みましたので、トップの塗装をガンガン剥がしていきます。塗装を剥すのには、剥離剤を使わず時間をかけて手作業ででサンディングしていきます。アーチドトップなので、カーブが変わらないように慎重にやります。

#240でサンディング

#240である程度ゴールドが取れたら、#320で生地をきれいにしていきます。

#320でサンディング

#320でサンディング後、大きい傷や凹みがないことを確認して、無かったらやっと下地塗装に取りかかれます。この時点で大きい傷や凹みがあると、仕上がりの表面も同じように残ってしまいます。

今回は超大作なのでこの辺で!第二章は塗装編こうご期待!

40年代のGibson J-45ブリッジをオリジナルサイズに+トップリフィニッシュ

お客さんが他店で、以前にブリッジを交換した際に、新しいブリッジのサイズが少しオーバーサイズに交換されていて、それからずっと気にしていたみたいです。

このギターは以前オリジナルブリッジが割れた為、新しいブリッジに交換されたみたいです。オリジナルブリッジを剥がす際、塗装のクラックや欠けが出たりします。そのような時これを隠したり目立たなくするよに、ブリッジをオーバーサイズにしますが、見た目オリジナルとサイズがあきらかに違うと違和感があり気になります。

上が割れたオリジナルで、下がオーバーサイズのブリッジ。2個を比べると印象がだいぶ違いますね!

ボディトップのリフィニッシュも一緒にする時ならオリジナルサイズのブリッジにできますが、ヴィンテージとなるとなかなかリフィニッシュまでは勇気とお金が必要です。

今回の依頼者もいろいろと考えた末、決断したみたいです。

ピックガードも剥がして、ボディトップの塗装を削って剥がしていきます。

マスキングをして下地塗装からしていきます。

ヴィンテージらしさを残す為、飴色ナチュラルにしていきます。

トップコートを何回か重ねて乾燥します。

乾燥後水研ぎを中目から細目までやっていきます。

その後、削ってオリジナルさいずにしたブリッジを接着。

あとは、ピックガードを貼り、圧着して完成!

ブリッジのサイズもこの方が、しっくりきます。

プレシジョンベース・フレット、ナット、pu、ブリッジ交換

お客様からメンテナンスのご依頼で預かったベースですが、拝見したら、ネックの元起き、フレットの減りがある為、ネックアイロン修正、フレット交換、フレット交換に伴いナット交換をしました。

お客様も大変気に入っていただき、フレットに力を入れずに触るだけで音が出て前より楽に弾けるようになったとのことです。

ついでに、グレードアップを兼ねてVanzandt PUに交換。

丸く暖かみのある太い音が魅力です。

ブリッジも変えてみたいとのことで、おすすめのBABICZブリッジに交換。

このブリッジはブリッジプレートに接する面が多い為、サスティーンと鳴りが増します。

マーチントップのみリフィニッシュ

お客様からボディトップの打痕が気になるので、リフィニッシュして欲しいとご依頼がありました。

ピックガードを剥がして、ザクザクと#240ペパーでサンディングします。

このギターは過去にオーバーラッカーされていたみたいで塗装の厚い部分が所々あります。その部分は特に古い塗装が剥がれにくいです。

ある程度剥がれたら、こんどは#320ペーパーでサンディングします。

大体平らになったら、ボディトップのスプルースの部分以外をマスキングします。

塗装は、シーラー→ラッカーサンディング吹いて乾燥後#600ペーパーでサンディングを数回繰り返して凹凸がなくなったら下地の出来上がり。

その後、少しヴィンテージっぽい飴色にしたいので、クリアーラッカーにステインを混ぜて飴色を作り薄く吹きます。

色が決まったら、後はクリアーラッカーを吹き乾燥を数回繰り返して塗装完了。

マスキングを剥がし完全に乾いたら、#800#1000#1500#2000の順で水研ぎしていきます。

あとは、バフがけコンパウンド磨きをして、剥がしたピックガードを貼り直して完成です。

打痕も消え生まれ変わりました。

メイプルネックのフレット交換+塗装

指板に塗装されているメイプルネックのフレット交換をする時、必ずと言っていいくらいに指板の塗装を剥がさなくてはなりません。

それはなぜかと言いますと、フレットを抜いた後指板修正をするからです。

指板修正をしなくてもいいくらいストレートなネックは別ですが、まあフレットが減っているくらい弾きこんだギターは少なからず波うっていたりすると思います。

まず、フレットに熱をくわえてフレットを1本1本丁寧に抜いていきます。

Rゲージで指板のRを確認して、それに合ったサンディングブロックに粘着が付いたサンドペーパーでサンディングしていきます。

ストレートになったら、フレットを打っていきます。

サイドのエッジも処理したら、塗装をしていきます。

まず塗装する面意外をマスキングします。

それから下地塗装して、ヘッドと一緒の色になるように色を調合して塗装していきます。

あとは、クリアーのトップコートを何回か塗装して、仕上げ処理をして完成!

セミアコのポット交換

ポットの寿命でガリノイズが出るとポットを交換しないとなりません。

このES-345もガリノイズの症状が出ていました。

セミアコタイプやフルアコタイプは空洞でfフォールが開いている為、その穴からホコリや水分が入りダメになる確率が多いです。

セミアコタイプなどは、ソリッドタイプとは違いコントロール内が見れる裏蓋が無い為、作業は大変です。

ピックアップを外し、その穴からスイッチ、ポット、ジャンクを外に出して外で作業して、元に戻すというやり方でやります。

ネックアイロンの出番

ネックが反るとトラスロッドが付いていれば、だいたいはそのトラスロッドを締めたり、緩めたりして調整ができます。

ネックに使用されている木は、いろいろな性質があるので同じグレードの同じモデルでも柔らかい木もあれば硬い木もあり、反りやすいネックもあり反りにくいネックもあります。

あとは、ギターの保管状態によっても変わります。

物置に入れっぱなしのギターは、大体ネックが反っているでしょう!

そんな反りっぱなしのギターで弾いたら、さぞかし弾きにくいでしょう!

弾きにくいと感じたら、調整に出してください。

今回修理依頼のギターは、ジャックプレート交換と、ポット交換と、セレクタースイッチ交換の依頼でしたが、ネックの反りが確認できたので、ネック調整もする事になりました。

が、トラスロッドはもう限界で、一番締めた状態でもかなり反っていました。

写真のネック中間部、ストレートゲージとフレットの間がかなり開いてます。

これで弦を張ったらもっと反って、小指が入っちゃうくらいです。

こんな時にネックアイロンの登場です。

まず、ロッドを緩めます。

順反りなので、1フレットと最終フレットにに角材を置き、その上にネックアイロンを置きます。

そして、だいたい真ん中あたりに専用クランプで軽く締めてヒーターをかけます。

ヒーターは、サーモが付いているので一定の温度になるとヒーターが切れるので、温め過ぎはないです。

ネックが少し温まったら、クランプを締めていきネックを逆反り状態にし、1日置きます。

ヒーターを切って、半日冷まして固めます。

で、アイロンを外して確認したところまだなので、もう一回やります。

今度は両端の角材を厚めにし、長めにかけたところ、今度はバッチリでした。

あとは、弦を張った時の張力も考えて、トラスロッドを締めます。

ここまでやれば、弦高低めのセッティングも可能です。

アッセンブリーの交換も済んで完成!