ボディとネックが同じ色のシースルーカラーで、ボディのみリフィニッシュする場合ネックと同じカラーに塗装しなくてはなりません。色付け無しのナチュラルでしたらクリアーを塗ればだいたいマッチングしますが、色が入っている場合生地の色も透けますので、そのことも計算に入れて塗っていきます。今回は、アッシュ材のボディ、メイプル材のネック(リフィニッシュ無し)で、90年代のフェンダージャパン・ジャズベースです。

まず、古いウレタン塗装をきれいに剥がします。ボディ材がアッシュなので、塗装が剥がれたボディにブラウンを混ぜたフィラーで導管を埋めます。これをやらないと木目部がへこんだまま塗料が重なって仕上がってしまい、出来上がりの表面が平坦になりません。フィラーは刷毛で塗り、ゴムへらで全体に伸ばし乾く前にウエスで拭き取ると、導管のへこんだ部分に泥(ブラウンのフィラー)が残り埋まります。

次は、木に塗料が吸い込まないようにする為、シーラーを塗ります。この時点でボディの色をもう少しブラウンにしたいので、シーラーにブラウンを混ぜて吹きます。

これでマッチングカラーにだんだん近づきましたが、ここではまだネックとの色を合わせません。次はボディ表面を平坦にする為、サンディングシーラーを重ねては削りを何回か繰り返して行きます。ボディ表面が平坦になりましたら、クリアラッカーにブラウンステインを少量混ぜ色調整をします。

これで大分マッチングカラーに近づきましたが、ネックには30年間のクリアー塗装焼け色がありますので、この上に飴色クリアーを吹きます。

これでネックとのマッチングカラーになりました。あとは、ネックが艶のないサテンフィニッシュなので、ボディもこれに合わせ100%艶消しフラットを塗り乾燥させます。

あとはパーツを戻し、ネックをセットし、弦を張り調整して完成です。ウレタン塗装からラッカー塗装にリフィニッシュしましたので、ボディーの鳴りも良くなりサウンドも変わりました。

コメント