ローリングストーンズのキースリチャーズといえば、フロント・ハムバッキングピックアップ、ブリッジを6wayタイプ、、シュパーゼルペグに改造したFender Telecasterがトレードマークですが、今回はフロント・シングルピックアップのテレキャスターをボディとピックガードを加工してフロント・ピックアップをハムバッキングに交換、ブリッジをゴールドの6wayタイプに交換、シュパーゼルペグに交換して本人愛用モデルミカウバーに近づけるというご依頼です。交換したパーツはエイジド加工して違和感がないようにしました。


まずは、フロントをハムバッキングピックアップにする為ガイド付のルーターでザグリます。ハムバッキング用テンプレートをボディに貼り付けます。この時にキースリチャーズのギターがそうなのですが、ネックとボディに隙間が開くようにします。ザグリの深さは、ピックアップ高さ調整ビスが収まる部分は深く削るとシングルピックアップに戻す際に戻せなくなりますので、落とし込みのザグリは入れませんでした。

次にピックガードを加工して、シングル用の穴からハムバッキング用エスカッションの大きさまで広げて行きます。ハムバッキングのザグリの際にエスカッションのネジ穴を開けていたので、エスカッションを装着してピックガードを削って合わせます。

次にクルーソンペグからシュパーゼルペグに交換する為の加工です。まずペグポスト穴の径が合わないので、ペグポスト穴を広げます。続いてシュパーゼルペグには突起が出ていてこの突起がヘッド裏の穴と噛んでブレないようにしている仕組みなので、この突起用の穴を開けます。クルーソンペグが付いていたネジ穴の位置が微妙にずれていてこのネジ穴は使えませんので、一度クルーソンペグが付いていたネジ穴を埋めないとなりません。ネックと同じメイプル材の丸棒で埋めてセンターを出し、突起位置を決めて2.7mmの穴を開けます。

あとは、エスカッションやネジ類が新品な為エイジング加工をします。エスカッションは表面の艶を無くし傷を付け、ネジ類は錆びさせました。シュパーゼルペグと6wayブリッジは中古のようでしたので、そのままです。

あとは、パーツを装着してキースリチャーズ愛用のミカウバー仕様テレキャスターの完成です。エイジングされたカバード・フロントピックアップの向きはお約束の逆向きにセットアップです。太めの弦でオープンGチューニングにして、サウンドも近づいたのではないかと思います。


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