Epiphone LP Tak Matsumoto 1955改

最近は人気アーティストモデル・レプリカのご依頼が多く、中でもTak Matsumoto氏所有の1955オールゴールド・レスポールのようにというご依頼が多いです。

今回は、エピフォンから発売したLP Tak Matsumoto1955(ほとんど新品)のポリ塗装を剥がし、ラッカーでオールゴールドにリフィニッシュ、ネック裏は塗装を剥がれた感じを再現、リアピックアップをブリッジスタッドギリギリまで移設、それに伴い専用ピックガード製作、本家に近いエスカッションに交換、指板の色が薄い為指板を黒っぽく染め、プラパーツと金属パーツのエイジングまでしました。

元々のこのモデルはオールゴールドなのですが、ポリウレタン塗装なのでこの塗装を剥がして、質感と音の向上を上げる為ニトロセルロースラッカーにリフィニッシュです。

before
before

まずは、リアピックアップを12mmブリッジ寄りに移設加工です。エピフォンのこのモデルは本人のモデルと比べると大分ネック寄りに付いています。これは、TAKフリークには気になるところですね。

で、これを移設させるのに一回ピックアップ・キャビティを埋めてからザグリ直さないとなりません。この後は塗装しますので、ほとんど跡はわからなくはなります。

移設イメージ

レスポールはトップがメイプルなので、メイプル材をカットして削りピックアップキャビティの半分ぐらいの形を作り埋め込みクランプで圧着します。

移設設計図

移設の設計図は10mm移動と書いてありますが、ご依頼された方のご希望はブリッジスタッドに接触するくらいギリギリということでしたので、思い切って12mm移設しました。

埋木製作

次に全部のポリ塗装剥がしです。ヘッド表面はLes Paulのインレイがありますので、少し消えるくらいまで削りました。

ポリ塗装剥がし表

次にアーチドトップのハムバッキング用テンプレートを使いルーターでザグリます。これは危険な作業なので慎重にやらなくてはなりません。

ルーターザグリ

エスカッションを仮止めしましたが、ブリッジスタッドのアンカーにツバが付いているのでこれでぎりぎりです。

エスカッションも’50s仕様なので、エピフォンとはネジ間ピッチが違う為、フロントエスカッションもネジ穴を埋めてあけ直しました。

エスカッションの仮止め

次に下地から塗装です。サイド、バック、ネック、ヘッドサイド・バックはマホガニーなので、フィーラーで木の導管を埋めます。その後サンディングシーラーを塗り重ねてサンディングして表面を平坦にしていきます。平坦になったらゴールドのブラスパウダーを使いゴールドを塗ります。この上に角度によりグリーンに見えるようにグリーンミストを吹きます。その上に飴色を吹き、その上にクリアーを重ねていきます。トップコートは少しヴィンテージ感を出す為、少し艶が引けた70%艶仕上げにしました。

オールゴールドラッカーフィニッシュ

ネック裏の塗装剥げは、本家のネックをイメージして剥がした後、マホガニーの色がうすかったので色を付けてクリアーも重ねて行きました。

ネック裏

次に指板の色が薄い茶色なので、これをバインディングにマスキングをして黒っぽい濃い色に染めました。指板の色はギター1本1本違いますので、薄い色の木は染めることで濃くすることができます。

指板染め

次にリアピックアップを12mmブリッジ側に移動しましたので、元々付いていたピックガードですとリア側に12mm隙間ができてしまいます。エスカッションも新しい物に交換しましたのでフィットするようにワンオフで製作しました。型を製作して、この型をテンプレートにしてルーターで平板を削って作りました。

専用ピックガード製作

次にプラパーツは光沢を殺して汚れを出し、金属パーツは特殊な液を使いメッキの光沢を曇らせて少し錆た感じを出してエイジングして行きました。

ピックアップのエイジング
金属パーツのエイジング

後は、パーツを元に戻して行き完成です。見た目もいい感じに変わり、音の鳴りも良くなり、ご依頼された方も大満足でした。

1955 Tak Matsumoto All Gold Lacquer

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