民生ブラックトップレプリカへの道 第三章 ペグ編

‘50sヴィンテージタイプのギブソンは、元々クルーソンペグが付いています。ビグスビートレモロを付けたギターですと、チューニングの狂いに悩みます。そこで、チューニングの狂いを少なくするのにペグをロック式のペグに交換します。このギターのオーナーさんが選んだロック式ペグは、ゴトー製シャーラータイプのマグナムロックです。クルーソンタイプからシャーラータイプなのでポスト穴を削って広げます。9.9mmドリルビットを使います。

ペグ穴広げ

あとは新しいペグを取り付けます。これでアーミングした後のチューニングが狂いにくくなりました。

マグナムロック装着後
マグナムロック装着後

40年代のGibson J-45ブリッジをオリジナルサイズに+トップリフィニッシュ

お客さんが他店で、以前にブリッジを交換した際に、新しいブリッジのサイズが少しオーバーサイズに交換されていて、それからずっと気にしていたみたいです。

このギターは以前オリジナルブリッジが割れた為、新しいブリッジに交換されたみたいです。オリジナルブリッジを剥がす際、塗装のクラックや欠けが出たりします。そのような時これを隠したり目立たなくするよに、ブリッジをオーバーサイズにしますが、見た目オリジナルとサイズがあきらかに違うと違和感があり気になります。

上が割れたオリジナルで、下がオーバーサイズのブリッジ。2個を比べると印象がだいぶ違いますね!

ボディトップのリフィニッシュも一緒にする時ならオリジナルサイズのブリッジにできますが、ヴィンテージとなるとなかなかリフィニッシュまでは勇気とお金が必要です。

今回の依頼者もいろいろと考えた末、決断したみたいです。

ピックガードも剥がして、ボディトップの塗装を削って剥がしていきます。

マスキングをして下地塗装からしていきます。

ヴィンテージらしさを残す為、飴色ナチュラルにしていきます。

トップコートを何回か重ねて乾燥します。

乾燥後水研ぎを中目から細目までやっていきます。

その後、削ってオリジナルさいずにしたブリッジを接着。

あとは、ピックガードを貼り、圧着して完成!

ブリッジのサイズもこの方が、しっくりきます。

マーチントップのみリフィニッシュ

お客様からボディトップの打痕が気になるので、リフィニッシュして欲しいとご依頼がありました。

ピックガードを剥がして、ザクザクと#240ペパーでサンディングします。

このギターは過去にオーバーラッカーされていたみたいで塗装の厚い部分が所々あります。その部分は特に古い塗装が剥がれにくいです。

ある程度剥がれたら、こんどは#320ペーパーでサンディングします。

大体平らになったら、ボディトップのスプルースの部分以外をマスキングします。

塗装は、シーラー→ラッカーサンディング吹いて乾燥後#600ペーパーでサンディングを数回繰り返して凹凸がなくなったら下地の出来上がり。

その後、少しヴィンテージっぽい飴色にしたいので、クリアーラッカーにステインを混ぜて飴色を作り薄く吹きます。

色が決まったら、後はクリアーラッカーを吹き乾燥を数回繰り返して塗装完了。

マスキングを剥がし完全に乾いたら、#800#1000#1500#2000の順で水研ぎしていきます。

あとは、バフがけコンパウンド磨きをして、剥がしたピックガードを貼り直して完成です。

打痕も消え生まれ変わりました。

メイプルネックのフレット交換+塗装

指板に塗装されているメイプルネックのフレット交換をする時、必ずと言っていいくらいに指板の塗装を剥がさなくてはなりません。

それはなぜかと言いますと、フレットを抜いた後指板修正をするからです。

指板修正をしなくてもいいくらいストレートなネックは別ですが、まあフレットが減っているくらい弾きこんだギターは少なからず波うっていたりすると思います。

まず、フレットに熱をくわえてフレットを1本1本丁寧に抜いていきます。

Rゲージで指板のRを確認して、それに合ったサンディングブロックに粘着が付いたサンドペーパーでサンディングしていきます。

ストレートになったら、フレットを打っていきます。

サイドのエッジも処理したら、塗装をしていきます。

まず塗装する面意外をマスキングします。

それから下地塗装して、ヘッドと一緒の色になるように色を調合して塗装していきます。

あとは、クリアーのトップコートを何回か塗装して、仕上げ処理をして完成!

セミアコのポット交換

ポットの寿命でガリノイズが出るとポットを交換しないとなりません。

このES-345もガリノイズの症状が出ていました。

セミアコタイプやフルアコタイプは空洞でfフォールが開いている為、その穴からホコリや水分が入りダメになる確率が多いです。

セミアコタイプなどは、ソリッドタイプとは違いコントロール内が見れる裏蓋が無い為、作業は大変です。

ピックアップを外し、その穴からスイッチ、ポット、ジャンクを外に出して外で作業して、元に戻すというやり方でやります。

ネックアイロンの出番

ネックが反るとトラスロッドが付いていれば、だいたいはそのトラスロッドを締めたり、緩めたりして調整ができます。

ネックに使用されている木は、いろいろな性質があるので同じグレードの同じモデルでも柔らかい木もあれば硬い木もあり、反りやすいネックもあり反りにくいネックもあります。

あとは、ギターの保管状態によっても変わります。

物置に入れっぱなしのギターは、大体ネックが反っているでしょう!

そんな反りっぱなしのギターで弾いたら、さぞかし弾きにくいでしょう!

弾きにくいと感じたら、調整に出してください。

今回修理依頼のギターは、ジャックプレート交換と、ポット交換と、セレクタースイッチ交換の依頼でしたが、ネックの反りが確認できたので、ネック調整もする事になりました。

が、トラスロッドはもう限界で、一番締めた状態でもかなり反っていました。

写真のネック中間部、ストレートゲージとフレットの間がかなり開いてます。

これで弦を張ったらもっと反って、小指が入っちゃうくらいです。

こんな時にネックアイロンの登場です。

まず、ロッドを緩めます。

順反りなので、1フレットと最終フレットにに角材を置き、その上にネックアイロンを置きます。

そして、だいたい真ん中あたりに専用クランプで軽く締めてヒーターをかけます。

ヒーターは、サーモが付いているので一定の温度になるとヒーターが切れるので、温め過ぎはないです。

ネックが少し温まったら、クランプを締めていきネックを逆反り状態にし、1日置きます。

ヒーターを切って、半日冷まして固めます。

で、アイロンを外して確認したところまだなので、もう一回やります。

今度は両端の角材を厚めにし、長めにかけたところ、今度はバッチリでした。

あとは、弦を張った時の張力も考えて、トラスロッドを締めます。

ここまでやれば、弦高低めのセッティングも可能です。

アッセンブリーの交換も済んで完成!

ボディバックのみのリフィニッシュ

先月ネックヒールキャップの製作して交換したアコースティックギターは、お客さんが持ち込みした時に塗装のクラックが全体的にすごくあり、ヴィンテージ感が良かったのですが、ボディバックは塗装が半分剥がれ、所々クリアーでタッチアップペンで塗られていました。(残念ながら、その写真を撮るの忘れてました。)

ボディバック以外をマスキングして古い塗装を剥がします。

きれいに平らになったら、ワイピングでローズの道管を埋めます。これをやらないと出来上がりがボコボコになります。

そのあとシーラーを吹きます。

そのあとラッカーサンディングを吹いては乾かし削り、吹いては乾かし削りを何回か重ねていきます。

これで下地が完成!

ネックヒールカバーもクリアーラッカーを吹きたいので、そこだけマスキングを取りクリアーラッカーを何回も重ねていきます。

そのあと水研ぎを#800#1000#1500#2000とやり、バフがけして完成!

OPB用ピックガード製作

フェンダーのオールドプレシジョンベースOPBのリプレイスメント用ピックガードを探してみると、なかなか無いですねー。

今回依頼のオーナーさんは、素人さんが作ったような白いピックガードをネットで買ったみたいですが、お気に召さなく黒い艶消しのピックガードを付けたいとのことです。

やはりOPBはナチュラルボディに艶消しブラックのピックガードがカッコ良いですね!

まず、トレッシングペーパーで白いピックガードを当てて大体の線を書きます。

白いピックガードの形が少しおかしいので、修正してから線に沿って切ります。

切ったペーパーをMDFボードに貼ります。

で、そのペーパーの形近くまでMDFボードを糸のこで切ります。

ここからが大変で、いろんなヤスリを使って線まで削っていきます。

MDFボードの型ができたら、ピックガード材の平板を貼り外周を少し多めにいとで切ります。

ここでルーターテーブルの登場!

ベアリング付ビットを使い、丁度ベアリングが型に当たり型の形のとおりにピックガード材を削っていきます。

ルーターはかなり高速で回っているので、危険です!

あとは、ピックガード材を外してまた型と同じ形のトレッシングペーパーでネジ穴を決め、ボール盤で面取り付のドリルビットを使いネジ穴を開けていきます。この時全部同じ深さで。

そして、OPB本体に装着ぴったり収まりました。

まだ保護用のフィルムは剥がしてないけど、やっぱりこれですよね!

ネックヒールキャップ製作

お客さんのアコースティックギターのヒールキャップがボロボロで半分は無くなっていたので、新しくすることにしました。

古いギターだし、なかなかこの部分だけのパーツも販売していません。

なのでワンオフで作るしかありません。

まず材料探しで、ちようど良い厚さと、ちようど良いクリーム色のプラ材がありました。

それは、レスポールのトグルスイッチの裏蓋です。

この丸い円の材料を糸のこで大体の形に切ります。

ヒールの形に合うように削っていきます。

ぴったり合ったら接着します。

このギターは、後でクリアー塗装も吹くのでその時一緒に、ヒールキャップもクリアー塗装します。

弦アース!

70年代中期〜後期にかけて製造されたギブソンのエレキギターはノイズが多いと思いませんか?

これは、テイルピースやブリッジからポットまでの配線で弦アースが取れるというしくみになのですが、このころのギブソンはそれをしていません。

そのかわりアースが多く取れるように各キャビティー内に、鉄板のボックスでカバーをするように工夫はされているみたいですが、音を歪ませて音量を上げるとノイズは増えていきます。

このようにノイズが気になる方は、加工が必要になりますが弦アースの取り付けをお勧めします。

外からでは、変わりはわかりませんが、音を出せばノイズの減りはすぐわかります。